今話題の髪質改善トリートメント!
近頃、お客様の「髪質改善トリートメントを試してみたい。」という声を何度も耳にしております。
このように髪質改善トリートメントに興味を持つ方は多いものの、まだそれがどのような施術であるのか詳しく知らない方も多いようです。
今現在、髪質改善トリートメントと呼ばれているものはこちらの2種類になります。
- 酸熱トリートメント
- 水素トリートメント
もちろん髪を美しくするという目的はどちらも同じですが、髪内部に行われている作用は全く違います!
この2種類のトリートメントにそれぞれどのような効果があるのかを知ることで、ご自身の髪に合ったものを選んでいただきたいです。
今回は髪質改善トリートメントの酸熱トリートメントについてご紹介していきます!
酸熱トリートメントとは?
酸熱トリートメントとは、今ではあくまでトリートメントとして認識されていましたが、実際には「以前からあるビビり取りの薬剤」の一種なのです。
この、ダメージを受けた髪を修復させるための薬剤が改良されて、より髪に対してダメージを与えない、トリートメントのような仕上がりになるように改良された薬剤。それこそが酸熱トリートメントです。
ツヤが出て扱いやすく、自然なまとまりのある髪質にするためのトリートメントの一種として人気が出てきています。
また、今までのトリートメントとは仕組みが違います。
持続性も高まり、まとまりにくかった髪が美しく滑らかになるのでエイジングケアとしても話題になっています!
酸熱トリートメントの仕組み
髪は主にタンパク質で形成されています。
髪のタンパク質同士はそれぞれ結合しており、その結合はシスチン結合と呼ばれています。
この結合の形状によって、それぞれの髪質やクセの形状が決まります。
酸熱トリートメントを使うことによって、それぞれの髪の結合よりも更に強い結合を一時的に作り髪質をコントロールすることができます。
その際作られる新しい結合はイミン結合と呼ばれています。
さてここからが本題です!
傷んだ髪内部のダメージホールに酸熱トリートメントの成分であるグリオキシル酸など酸の成分をたくさん入れていきます。
- グリオキシル酸
- グリオキシル酸ハイブリッド
- レブリン酸
- サリチル酸
- ジカルボン酸
- マレイン酸 など
この状態の髪に熱を与えることで、それらの成分が形状を変え、ダメージホールから抜け出さないよう大きくなったり、ダメージホールに吸着したりと、成分を逃がさないようにします。
さらに、酸熱トリートメントの成分とヘアアイロンによる熱で、脱水縮合という科学反応が起き、髪の内部にイミン結合を作り出し、キューティクルの表面をコーティングします。結果これらの成分を逃がさず、クセのおさまったツヤのある滑らかな髪質へとコントロールすることができます。
切れたり、失われてしまったシスチン結合の変わりに新たなイミン結合を作ることで髪内部の状態を安定させるということです。
・酸の成分を入れる
・熱を与えることで髪の結合と酸の形状を変化させる
・成分を逃さないよう強固にフタをする
このイミン結合の作用によってゴワつきやクセを抑えます。また髪の表面も新たにコーティングすることで、ツヤがあるように見せるのです。
酸熱トリートメントの効果とメリット
酸熱トリートメントによる効果は大きく分けて2つあります。
うねりやくせを改善
グリオキシル酸はゆがみを整え、さらに毛髪内部に架橋を作ることでクセを緩やかに抑え、まとまりを良くする効果があります。
酸と熱によってコーティングしてツヤを出すため、効果の持続性も高まります。
根本的に髪のダメージを修復、改善、強化
カラーやパーマで受けたダメージ、加齢などで切れた髪内部のシスチン結合をつなぎ合わせたり、シスチン結合に似た新たなイミン結合を作り出します。
それにより髪質が安定し、弱くなった髪にハリコシが生まれます。
酸熱トリートメントのデメリット
酸熱トリートメントによって髪が傷む可能性がある
ダメージの原因として、グリオキシル酸の後処理が不十分な場合が挙げられます。
グリオキシル酸は「強酸性」という酸の濃度が極めて高い薬液になります。
知識や技術力が高く、正しい使用方法を理解していればダメージの心配はありませんが、知識不足、技術不足の美容師がグリオキシル酸を使うのは大変危険です。
酸熱トリートメントを使用する際、グリオキシル酸の濃度が低すぎるとゆがみを直す効果が弱く、反対に濃度が高すぎると新たなダメージの原因になり最終的にチリチリになったり、切れ毛になってしまいます。これを【酸熱死】と言います。
髪が硬くなる
酸熱トリートメントによる効果は髪質を選びます。効果が出ない人に酸熱トリートメントを使用すると髪が硬くなってしまう場合があります。
・ダメージがほとんどない
・髪が太い
・ハリコシのあるしっかりした髪質
上記に該当する髪質への使用はおすすめできません!
独特な臭いがある
酸熱トリートメントの臭いの原因は酸です。
決して良い臭いではありません。
カラーが色落ちする
酸熱トリートメントを使用するとカラーが色落ちしてしまいます。
特にアッシュ系のカラーが色落ちしやすいと言われています。
したがってカラーのあとに酸熱トリートメントを使用することは避けた方がいいでしょう。
美容師さんの技術によって差が出る
ヘアアイロンの技術によって美しさと髪質改善、それぞれの差と持続性が変わってきます。
毛髪1本1本の形をキレイに維持しながら「自由水」という髪にとって余分な水分を抜くためのヘアアイロン施術が必要になります。
この作業に確実な技術と知識を持ち合わせているかどうか、これが髪質改善とその持続性に大きく関わってきます。
技術に不十分な美容師が施術を行なった場合、力を入れたストレートアイロンで髪を挟んでしまったり、引っ張ってしまうため、毛髪1本1本が平面に潰れやすくなります。
そうすると余分な水分が抜けきらず、髪質改善の持続性が低下し、新たなダメージの原因にもなります!
酸熱トリートメントの工程
①シャンプー
カウンセリングの後は、髪の汚れやスタイリング剤を落とすためにシャンプーをします。
素の髪の状態にしておくと、酸熱トリートメントの薬剤が満遍なく髪の内部に入りやすくなります。
②酸熱トリートメントの薬剤をつける
使う薬剤のメーカーによって異なりますが、薬剤をつける前に前処理トリートメントを使い薬剤の反応を最大限に引き出せるようにベース作りをします。
その後に酸熱トリートメントの薬剤をつけます。
髪質にもよりますが、基本的には根元付近から毛先まで一気につけます。
③加温・放置
薬剤が乾燥しないように、ラップで包んでから20〜30分ほど放置します。
その際、温めることがほとんどですが、髪質によっては温めずにそのまま放置する場合もあります。
時間を置いた後に、髪に薬剤がしっかり浸透しているかチェックします。
足りない場合は、もう5〜10分追加で放置します。
④薬剤を流す
シャンプー台でお湯でしっかり洗い流していきます。
⑤ドライしてヘアアイロン
この時もメーカーにもよりますが、前処理としてトリートメントをつけてから乾かします。
髪全体を乾かしたら、ヘアアイロンで髪をプレスしながら熱を与えていきます。
ドライの時よりもさらにツヤツヤに仕上がります。
縮毛矯正のように薬剤が1剤、2剤と分けられているわけではないので、薬剤を使うのは普通のトリートメントの時のように一度だけです。
ヘアアイロンをあてたら酸熱トリートメントの施術は終わりです。
酸熱トリートメントがオススメな人
カラーやパーマの繰り返しによるダメージ毛の人
髪のダメージがひどく、通常のトリートメントでは髪質が改善されない人に酸熱トリートメントをオススメします。
髪を再結合させる酸熱トリートメントは、根本的な髪の悩みの改善が期待できます。
パサパサでまとまらない毛先の方、ホームケアをしているのにダメージが改善しない方にもオススメです。
クセや広がりが気になる人
酸熱トリートメントは、髪を再結合することにより、今までの髪の結合をおさえこみ、髪質をコントロールします。
結果として髪がストレートヘアに近づいて見えるのです。
詳しい髪質改善トリートメントの記事はこちらをご覧ください。
まとめ
美しい髪を持ち続けたいという女性みなさんの願いを叶えてくれる髪質改善トリートメント!効果が期待できますね!
しかしご自身の髪に合っていない場合、逆効果になる可能性もあるので注意が必要です!
今回の酸熱トリートメントの記事をこれからのトリートメント選びの参考にしていただきたいです。
我々はお客様の髪を一番に考え、少しでも美しい髪を手に入れるお力添えが出来れば幸いです!